みけにゃんこの旅行記
「みけにゃんこ」が旅に出た!
さて、いったいどんな旅になったでしょうか・・・

*この物語はフィクションでもあり、登場する人物・団体名等は*
*実在しない可能性があります*

【9月12日】温泉
 この旅は、みけにゃんこの故郷を訪ねる旅でもあったのだが、…え?川上からドンブラコのはずでは?(笑)…まあ、ポチ氏と一緒にお散歩気分で出かけたのである。

 出かけるまでは大変であった。直前予約はいつものことだが、宿の手配と行動プランは我輩の役目である。今回も1泊2日という話だったのが、直前になって「え?宿は2泊取ったんじゃないの?」とポチ氏。慌てて2泊目のインターネット予約を入れた。宿に迷うほどの場所でなかったのが幸いであった。

 9月12日、朝はのんびり出発。東京駅で昼の駅弁とお茶を買い、11時半発の東海道新幹線こだま号の乗車ホームに、20分前から並んだ。禁煙車両の中ほどの快適な自由席シートを獲得するためである。新幹線の到着後、お掃除が済んで再びドアが開いた。目的の二人掛けシートに落ち着くと、早速駅弁を広げた。駅弁はなんだったか…面目ない、食べてしまったら忘れたにゃ。駅弁を食べ終えると、腹いっぱいになったポチ氏はご機嫌であった。どうやら何十年ぶりかで乗る新幹線が楽しいらしい。単純である。我輩は2駅ほどの間に居眠りをしたらしく、約2時間はあっという間に過ぎ、宿泊の拠点、掛川の宿場に到着した。

 この日はポチ氏の仕事の疲れを癒すため「つま恋」へ直行…「つま恋」は、スポーツ&レジャー&温泉&多目的宿泊施設なのだが、我輩たちは温泉がメイン。2時過ぎにチェックインした後、迷子になりそうに広い敷地を辿ってサウスウイングへ。その建物は築25年くらいで部屋の設備はそれなりだったが、ウッドパネルを敷き詰めた広いルーフバルコニーがあってなかなかイイカンジ!だだっ広い芝生と森林に囲まれた静かな所で、猛暑に近い暑さなのに風が爽やか、とっても気持ちよかった!やはり自然はいいにゃ。

 夕食までに温泉に入ってこようと、園内地図を頼りに出かけた。園内シャトルバスやレンタル自転車もあるのだが、温泉まで近道がありそうなので歩くことにした。温泉は小さい山をひとつ越えたところにあって、山道に木で足掛かりを作った階段を昇った後は急勾配の長い下り階段でちょっとスリリング…まさに獣道であった。
 ポチ氏は犬湯へ、我輩は猫湯へ入るゆえ、出口で1時間後に待ち合わせ。我輩は「お茶風呂」が気に入った。お茶風呂は初めてであった。とても香りが良かった。色は紫蘇のような色?う〜ん、浴槽の石の色でよくわからなかったが、緑色でなかったのが意外であった。露天風呂も、まさに露天!目の前には少し離れた山の木々…青空を見上げたり森林を眺めながらの入浴は最高であった。足つぼを刺激する足湯、ぬるめの寝湯もたのしみ、すのこ状リラックスチェアで寛いだ。おっといけない、約束の時間を過ぎてしまう。ポチ氏はとっくにロビーの椅子で、暇をもてあまし気味に外を眺めていた。「お待たせにゃ〜」…それから、ふたりで外の板張りテラスに出て、のんびりしたヒトトキを過ごした。温泉からの帰りは、来た時の逆、急勾配の階段を上り、山道の階段を下りて帰った。疲れが取れたんだか溜まったんだか???

 夕食はリーズナブルなバイキング。早めの時間に屋外の席に陣取って、ゆっくりと、おなか一杯いただいた。室内の冷房や人の声から離れた場所で、これまた芝生と森林を見ながらの食事、快適〜!

 夜は静かで虫の声。エアコンなんかいらない…窓を開けて、新鮮な空気を部屋に入れて…月が綺麗だったにゃ。とってもいい1日であった。
2003年10月23日 00時11分56秒

【9月13日】お墓参り
 旅の2日目13日は、つま恋での朝食を済ませた後、どうせなら乗馬もやってみたかったのだが、ネコが馬に乗ったらまるで「ブレーメンの音楽隊」だ。おまけにポチ氏は酉年である。我輩はプールで我慢することにした。1年ぶりに500mほどネコカキで泳いだ。筋肉痛になるかとちょっと心配になったが…。

 この日のメインはお墓参りであった。何しろ滅多に出かけることのできない場所である。ポチ氏と二人で墓参できるのも最初で最後かも知れぬ。昼につま恋から掛川駅へ出て、駅でざる蕎麦を食したあと、東海道線で2駅先へ。そこからタクシーで10分ほど行ったお寺に、みけにゃんこのご先祖様のお墓があるのだ。なんでも我輩のご先祖様は人間だったらしい!。まだ新しい墓石に、数日前に誰かお参りしたらしい花と線香が残っていた。ところが我輩は、道中で花と線香を調達できなかった。田舎のことであるから、車で探し回らなければ、駅前には花屋もなかったのである。季節外れのせいかコンビニで線香を仕入れることもできなかった。なんともご先祖様には申し訳ないのであるが、ビールとタバコを持参した。タバコは父のトラが好きだった「はいらいと」、ビールはお婆のシロも好きだった「らがー」である。墓石を隅々までブラシで綺麗に洗って落ち葉の掃除をし、タバコを線香代わりに、ビールを供え、ポチ氏とみけにゃんこの幸せを報告した。そして、向こう三軒両隣のお墓にも手を合わせてから帰途に着いた。

   帰りはバス停まで20分ほど歩いた。暑いのと慣れない道なので、途中のコンビニに入ってポチ氏にアイスキャンデーを買い、「バス停に行くにはこの道でいいのかにゃ?」と確認してからまた歩を進めた。やっとバス停が見えてきた。ベンチに屋根まで付いている。時刻表を見るとバスは出たばかりであった。次のバスが来るまで50分も待つと知って呆然・・・タクシーを拾おうかと思ったのだが、反対方向に走って行くタクシー…どれも人が乗っている…。ふと見ると、それらのタクシーに大きく電話番号が書いてあるのが目に留まった。我輩は即座に電話して、●●前のバス停まで迎えを頼んだ。
2003年10月23日 14時57分23秒

【9月13日】城下町にて
 東海道線の駅に着いたら飲み物を補給し、掛川駅へと戻った。午後4時半、とりあえず駅前のホテルにチェックイン。重い荷物を置くと、ポチ氏は夕暮れの掛川城下をお散歩したくて仕方がない様子であった。夕食はホテルのが美味しそうであったが、まあ散歩しながら夜食だのオヤツだの買い込み、食事処を物色した。

 掛川城は、本格木造建築で天守閣が復元され、ちょっとした観光地となっている。近くに旨そうな蕎麦屋があった。葛蕎麦、葛うどん、などとお品書きがある。昔の掛川は「くずの木」に覆われた土地だったらしいのだ。とりあえず店に入ってみた。我輩もそれは初めてお目にかかるもので、珍しいので食してみた。うどんはつるつると腰があり、蕎麦もつるりとのど越しが良い。庶民的なお店で客は我輩たちを含めて3人。1日歩き回ったので心地よく寛いだ。座ったカウンター席の目の前におでんの鍋が煮えている。「うまそうだな」「食べたいにゃ」と、二人で注文。我輩はコップ酒もおねだりして、ポチ氏と半分こしていただいた。おでんを少々追加注文、おやじさんのサービスのいい事!満腹、ほろ酔い、よかったにゃ。

 店を出るともう真っ暗。ライトアップされた掛川城天守閣の麓をそぞろ歩き、我輩の母校である「ワンニャン高校」へ侵入!まだ部活中の生徒が沢山いて在学中が思い出された。校舎や体育館が建て増しされ、木造ボロ部室が無くなり、ジュースの自動販売機がいくつも置いてあって変わったにゃ〜。校庭の広さは変わらなかったが、整備されて綺麗になっていた。

 ホテルに戻って友人に電話。翌日会うことに決定!何十年ぶりかにゃぁ…。
 お風呂は部屋のではなく、最上階の展望大浴場檜風呂へ。シティーホテルでありながらこの大浴場は魅力である。展望はまあ外が覗ける程度のものだが、のんびりゆったり入って満足、満足。
2003年10月31日 15時07分47秒

【9月14日】掛川の朝
 3日目は、朝早く目が覚めた。東向きに窓のある客室は、洋室なのだがカーテンの代わりに障子がはまっていた。障子を開けて外を見ると、だんだん朝日が昇ってくるのがわかる。「そういえばデジカメ持ってきたんだ!」ポチ氏が慌てて取り出す。正月の初日の出など拝めない身であるから、低い山の向こうから昇る朝日をカメラに収めた。
 今日は前日約束した友人と駅前のファーストフードで10時待ち合わせである。「子猫中学校」の同級生で高校は違ったがずっと仲の良かった女の子。今では結婚して立派に人間の奥さんを勤めている。15年ぶりの再会である。近況報告や他の友人の消息など話は尽きない。
 そのあいだ、ポチ氏は駅前のバス停で「市内循環どこまで乗っても100円」のバスを発見し、市内めぐりの旅に出た。なんとも乗り物好きである。乗り物さえあれば、ひとりになったからといって暇を持て余すことはない。お陰で旧交を温めることができた。
 あっという間に1時間半。ポチ氏が市内めぐりから戻ってきた。友人もお昼には帰宅せねばならぬから、別れを惜しみつつ、忙しそうに帰っていった。
2003年10月31日 15時07分47秒

【9月14日】大井川鉄道
 午後は、ポチ氏が大井川鉄道のSLに乗りたいと言うので、とりあえず金谷の駅へ。ところが、8月の台風の影響でSLは当面運休。途中まで代替バスで、そこからは普通車両だという。しかし大井川の上流は景色がいい。ぜひポチ氏に見せたくて、乗ることにした。
 発車時刻まで30分、駅の近くの食堂で彼は肉蕎麦私はザル蕎麦をかき込んでバスに乗車。電車に乗り換えて終点「千頭(せんず)」まで、がら空きの2両編成で電車の旅である。我輩は途中で爆睡!不覚にも寝顔をデジカメで撮られてしまった。情けなや…。

 本当は終点千頭で折り返し帰るつもりであった。時は午後2時。 ところが! わかふじ国体が開催されており、カヌー競技の行われている接阻峡会場まで「無料シャトルバス」が運行されていた。無料と聞いたら乗らずにはいられないポチ氏である。コインロッカーに荷物を預けて早速乗り込んだ。曲がりくねった山道、東海道線からは見られない山や川の景色を見ながら「SLじゃなかったけど来て良かった」と嬉しそうなポチ氏であった。「クンクン、みけにゃんこが流れ下った川の匂いだワン?」「うーむ、そんな気もするにゃん…?」
 そして会場前で下車、次にマイクロバスで急な坂の細道を下る。炎天下の長島ダム湖、周りは360度山と空・・・。ダム湖でカヌー競技をしばらく見た。
2003年10月31日 15時33分39秒

【9月14日】井川線
 帰りのシャトルバスに乗ろうとしたら、選手や関係者の皆さんでメチャ混み。時は既に午後4時を回っていた。こんなに山の奥まで来たのは初めてであるから、無事金谷まで帰り着けるのか心配になったが、とにかくアプト式区間のある大井川鉄道井川線で千頭へ戻ることにした。平田(ひらんだ)駅でカヌー競技用の無料乗車券が配られ、至れり尽くせりであった。
 午後4時28分、12両編成の車両がやってきた。車内はとてもレトロ・・・昭和40年代を思い出すような…もっと前かも?乗る時は扉を手で開けるのだ!駅に止まると車掌さんが降りてきて手で開ける。
 下りの急勾配に差し掛かると、アプトを取り付けるので3分停車、坂を下り終わると取り外すので少々停車、のんびりしていた〜〜。大井川のすぐ側の断崖絶壁を走り、トンネルをいくつも抜けて、飽きることのない景色のうちに、約1時間掛けて千頭に着いた。いや〜よかったにゃ〜!

 千頭から金谷まで1時間半、大井川鉄道(途中バス)に揺られ、いつしか外は真っ暗。東海道線金谷駅から静岡まで30分ほど。静岡駅で駅弁を買って午後8時過ぎの新幹線に乗り、パクパク食べながら東京へ。ねぐらに着いたら午後10時、良い子は寝る時間であった。

 そういえば!井川線で千頭に着いて金谷行き大井川鉄道に乗り換えるときのこと。旅に酔いしれていた我輩たちは、コインロッカーに預けた荷物を危うく忘れて帰るところであった。自動販売機へ飲み物を買いに行ったらコインロッカーが目に留まり、間一髪、荷物を忘れずに済んだのである。このエピソードは備忘録として付記しておかねばなるまい(爆)。<おわり>
2003年11月04日 22時15分38秒

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